資格・検定

[受講体験記]認定電気工事従事者 認定講習/従事可能な電気工事範囲拡大

認定電気工事従事者認定講習テキスト

はじめに

2019年3月2日、認定電気工事従事者認定講習を受講しました。受講料が、12,500円と安くはありませんが、電気工事の範囲が広がることを考えればそんなに高くないと感じました。

受講動機

第二種電気工事士免状取得後、認定電気工事従事者認定講習を受講し認定電気工事従事者認定証を取得すれば、従事できる電気工事の範囲が広がることを知り、取得までお手軽だし電気工事士に興味あるから認定講習受講するっきゃない的な流れです。正直、従事できる電気工事の範囲がどの程度広がるのか、認定講習を受講するまで分かっていませんでした。

従事できる電気工事の範囲

まず、認定電気工事従事者の資格を得ることにより、従事できる電気工事の範囲を確認します。下記、表は免状の種類によって従事できる電気工事の範囲(1)(2)を表しています。

各免状によって従事できる電気工事の範囲
免状種類によって従事できる電気工事の範囲

認定電気工事従事者は、自家用電気工作物の工事(最大電力500kW未満の需要設備かつ電圧600V以下で使用する電気工作物の工事)ができるようになります。電気工事の範囲を理解しやすくするためにαの内容を確認します。αの電気工事の範囲は、

①最大電力500kW未満の電圧600Vを超える高圧で、受電する自家用電気工作物の需要設備(高圧受電設備)の高圧部分

②高圧電線路、低圧電線路

になります。認定電気工事従事者だと自家用電気工作物の需要設備(高圧受電設備)の高圧部分は電気工事の範囲外になりますが、低圧部分は電気工事の範囲にあたります。

自家用電気工作物(最大電力500kW未満)のビル、工場は電気事業者から三相高圧6,600V受電し、高圧受電設備を介し低圧100V/200Vに変換し配電しています。認定電気工事従事者の電気工事の範囲が、理解できたらなら電気工事できる建物が非常に多いことがイメージできると思います。

経済産業省の自家用電気工作物設置件数全国計(3)より、平成30年度のデータより特別高圧を含めた全体(912,380)件から最大電力500kW未満(804,013件)の割合を求めると約88%にあたります。認定電気工事従事者認定証を取得することで、自家用電気工作物の約88%が簡易電気工事(電圧600V以下で使用する電気工作物の工事(電線路に係るものを除く))できるようになります。

余談ですが、第二種電気工事の電気工事の範囲に該当する一般用電気工作物は、約8,000万件(4)になります。第二種電気工事免状と認定電気工事従事者認定証を取得することで、自家用電気工作物に該当するものは簡易電気工事のみという条件付きですが、電気工事できる建物が約8,080万件になります。

講習の申請等について

認定電気工事従事者講習の申請は、一般財団法人 電気工事技術講習センターのWebページから申し込みます。

■受講料
12,500円

■講習日程及び講習地域
複数あるなかから選択可能。

申し込みが2018年11月02日で、受講票が届いたのが2019年1月下旬でした。受講票によって確定した講習日時と講習会場が分かります。

私は、開催地:東京 23区内、講習日:2019年3月2日を第一希望で申請し、第一希望が通りました。受講希望が、多そうな土日開催はすぐ定員が満員になるだろうと予測し、講習のご案内を定期的にチェックしていました。申請受付が開始されたことに気づいたら、すぐ申し込みしました。すぐ申し込んだおかげで、希望通り土曜開催の講習を受講できました。私が、受けた講習は全受講者105人で私の番号は、85番目でした。割りとギリギリ。

人によっては、申し込み時から約5ヵ月以上間空くためスケジュールを組むことが難しいかもしれません。私の場合は、希望日全て予定をあけてどの希望が通っても入れられるようにしていました。また、講習会場は比較的都会の場所でしか行われないため田舎の方は、交通費が結構かかると思います。私は、旅行も兼ねて東京の講習会場を選びました(笑)

今回の受講者は、ほぼ男性で講師の方が話した内容だと電気工事、ビルメンテナンス関係の会社に所属している方が殆どらしいです。会社の業務と関係なく、趣味や将来のことを考えて受講する方は、少ないのかなと感じました。

講習内容

時間:午前10時~午後5時
テキスト:認定電気工事従事者認定講習テキスト
発行所/編集:一般財団法人 電気工事技術講習センター
テスト:なし

講習内容
認定電気工事従事者認定講習_講習内容

認定電気工事従事者認定講習テキストに沿って、講師の方が進めていきます。テキストのページ数は、約175ページあり重要なところだけ説明する感じでした。講師の方の話し方が上手く楽しく聞くことができ、寝ずに受講できました(笑)また今回、講師は2人でその内1人が現役の電気工事士で、沢山現場の話を聞くことができました。この講習おかげで、認定電気工事従事者の従事できる電気工事の範囲が分かりました。

講習終了後に認定電気工事従事者認定証申請関係書類の冊子、認定電気工事従事者認定講習修了証、認定電気工事従事者認定講習講師の資格証明書を貰いました。

認定証申請の費用

費用として、下記3つ(写真代は除く)が必要です。私の場合は全部で、5,500円以内に収まりました。

①認定証申請書類に手数料として貼る4,700円分の収入印紙

②住民票発行代

③簡易書留代

まとめ

講習申し込み申請から認定電気工事従事者認定証取得まで、約半年はかかります。取得までの総費用が17,500円と安くはありませんが、電気工事の範囲が広がることを考えればそんなに高くないと感じました。第二種電気工事免状取得済みで、電気工事の範囲拡大に魅力を感じた方は、認定電気工事従事者認定講習の受講を考えてみてはどうでしょうか。

参考文献

(1)中部近畿産業保安監督部
免状の種類によって従事できる電気工事の範囲
https://www.safety-chubu.meti.go.jp/denryoku/koujishi.htm

(2)認定電気工事従事者 認定講習テキスト P.136
図4.2.1 電気工事士法における電気工事士等の資格と従事できる工事範囲

(3)経済産業省
自家用電気工作物設置件数全国計https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/electric/detail/jikayo-setti.html

(4)経済産業省
電気工作物の保安https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/electric/detail/setsubi_hoan.html